ABOUT

Wearable Art, Rooted in Prayer
〜祈りから生まれる、身に纏うアート〜 Atelier Phayul は、祈りをかたちにし、身に纏うためのアートを生み出しています。 “ཕ་ཡུལ། Phayul(パユル)”とは、チベット語で「ふるさと」。 それはどこか遠くの場所ではなく、
自分の内側にある、自分自身のぬくもり。 ありのままの自分を大切にしながら、
未来を創っていくための原点となる感覚。

その感覚にそっと触れるための存在として、
作品をお届けしています。 ひと粒のビーズが、手のひらでふっと光る瞬間。 まだ形になる前の、かすかな気配に触れたとき、
物語は静かにはじまります。 現在は、東京・恵比寿の陶芸スタジオ イエロークレイを拠点に、
チベットで出会ったビーズ、イエロークレイで制作している陶ビーズ、天然石、そして祈りを重ねながら、
アクセサリーやウェアというかたちで表現しています。 なぜチベットなのか。 この問いに対して、
はっきりとした理由を言葉にすることはできません。 今でも「ご縁」としか言えないのだと思います。 けれど振り返ると、
17歳の頃、ある言葉に出会ったことが、
そのはじまりだったように感じています。 「もし解決できるならば何を悩むことがあろうか。
 もし解決できないならば悩んでも何の益があろうか。」 とある本でその言葉に触れたとき、
ものごとの見え方が静かに変わりました。 後にそれが、シャーンティデーヴァの『入菩薩行論』の一節であると知り、
チベット仏教へと自然に導かれていきました。 そして2018年から、チベット文化圏への旅がはじまりました。 チベットのカンゼ、マチュ、ラプラン、ラサ。
インドのダラムサラ、ダージリン、デラドゥン。
そしてブータンへ。 祈りが日常の中に自然に息づいている風景。
空の広さと高さ、風の音、人々のまなざし。 そこで触れた感覚は、今も私の中に深く残り、
作品の中に流れ続けています。 なぜ、チベットなのか。
理由ではなく、ご縁の流れの中で出会い続けてきたもの。

それが、今のパユルの根底にあります。 幼い頃、お気に入りのペンギンのぬいぐるみ「セレス」に
服を縫っていた時間。 音楽に親しみ、中学・高校では吹奏楽部で打楽器、
大学ではジャズドラムを演奏してきました。 リズムや余白、即興の感覚。
音が重なり、場の空気が変わっていく体験は、
アトリエパユルの作品制作にも深く息づいています。 土を触るときの手のリズム、
ビーズを編むときの呼吸、
かたちが生まれる“間”。 そのすべてには、音楽で育まれた感覚があります。 大学時代、就職活動がうまくいかない中で、

「やはり自分がやりたいことに向き合いたい」と思い、ものづくりへの原点を見つめ直しました。 ファッションの仕事について調べる中で出会った 『スタディ・オブ・コム デ ギャルソン』という本に、

パタンナーという職業が紹介されていました。 本に載っていた小さな型紙を組み立て、
平面だったものが立体として立ち上がる瞬間。
 そのときの感動が、「これを仕事にしたい」という強い気持ちへと変わりました。 

内定していたアパレル販売職を辞退し、フリーターに。 アルバイトをしながらエフカパターンメーキングスクールで4年間学び、アパレルOEM企業にてパタンナー兼デザイナーとして勤務しました。 ものづくりの現場で多くを学び、
夢だった仕事に携われたことは大きな喜びでした。 一方で、限られた時間と条件の中で
ものづくりを続ける難しさにも直面し、
この道から一度離れる選択をします。 その後、IT企業で人事・総務へとキャリアチェンジをしました。 仕事を通じて、アジャイルやスクラムといった
「つくりながらカイゼンし続ける」という思想に出会います。 小さく試し、更新し続けること。
そのリズムは、現在の創作の在り方にもつながっています。 また、働く中で、
「大好きだったファッションの仕事とは離れてしまったけれど、また何か、自分が心から好きだったものを始めたい」 そんな思いが、ふと湧き上がりました。 そのとき、17歳の頃に出会った
チベット仏教の言葉を思い出し、
チベット語を学び始めます。 都内のチベット関連の団体で、
チベット人の先生から週に一度、約1年間チベット語を学びました。 けれど受講者が次第にいなくなり、
そのクラスは自然と終わりを迎えます。 それ以降は、ほぼ独学で学びを続けてきました。 独学といっても、
チベットの友人や研究者の先生方、そしてチベット仏教の師にやたくさんの仲間に支えられながら、少しずつ言葉と向き合ってきた時間です。 よく「どうしてチベット語を勉強しているの?」と聞かれることがあります。
チベットの方々からも、同じように尋ねられます。 けれど私自身には、
はっきりとした理由があるわけではありません。 ただ、チベット文字を見ているだけで嬉しく、
学んでいる時間そのものが楽しくて、
複雑で煩雑なこの言語が愛おしい。

 気がつけば10年ほど勉強を続けていました。 その中で日常会話ができるようになり、チベット語のラサ方言やアムド方言の学びも深めていきました。 そしてその積み重ねの中で、
人と人のあいだに立つ機会も生まれ、
通訳として関わらせていただくことも増えてきました。 また、『ダライ・ラマの智慧 幸せな生き方 満ち足りた死に方』(2025年3月、ハート出版)では、編集協力として、チベット仏教の論書をもとに仏教用語の解説を日本語にするお手伝いをさせていただきました。 現在も、チベット仏教の師のもとで、学びを深めています。 また、チベット語を勉強していく中で、
文化そのものへの関心も自然と深まっていきました。 チベットのデザインや文化を、
もっと身近に感じたい。
日常の中で身につけられたら、どんなに素敵だろう。 そんな思いから、IT企業に勤めていた頃から
チベットビーズを用いたアクセサリーを自作するようになります。 今思えば、その小さな試みこそが、
アトリエパユルのはじまりの芽でした。 チベット仏教を学ぶ中で、特に深く心に残っている教えがあります。
それは、「どんな行いも、動機が大切である」ということ。 

同じ行為であっても、
その根底にある動機によって、
まったく異なる意味を持つ。 その教えに出会ったとき、
ものづくりに向き合う自分自身の在り方が、
大きく変わりました。 

それ以来、すべての制作は
「あなたが幸せでありますように」 という祈りを動機として行っています。 

身につけるものは、その人の一部になるもの。 

だからこそ、そこに宿るものの質を大切にしたい。

 日々心を整え、磨き続けることも、制作の一部です。 そして企業を退職しフリーランスとなり、
WebライターやWebデザイナー職を経て、
2022年、アトリエパユルをスタート。 はじめての出展は地元の神奈川県相模原市で、母とその友人が主催のカフェイベントでした。 ディスプレイにもひとつひとつこだわり、
今振り返るととても素朴なものでしたが、
その場に小さな世界をつくることに夢中になっていました。 そして、母の知人の方が、
はじめてピアスを手に取ってくださったときのこと。 その瞬間のあたたかさと感動は、
今でもはっきりと心に残っています。 自分の手から生まれたものが、
誰かの日常へと手渡されていくこと。 そのよろこびが、
アトリエパユルのはじまりでした。 その後、マルシェ出展を中心にお客さまへ作品を作品をお届けする中で、
私は次第に確信していきました。

“これはアクセサリーではなく、アートである”ということ。 

お客さまとの会話の中で、チベットの歴史や、
私自身がチベットへの旅で体験したこと、パーツに込められた吉祥紋様の意味や、作品づくりへの想いをお話しさせていただくことがあります。

 その中で、
「素敵ですね」
「想いが伝わってきます」
「お守りみたいですね」

そんな言葉をいただくことがありました。 

そのときに感じたのは、
これは単なる装飾ではなく、
身につける人の内側にある何かに触れるものなのだ、ということ。 

装飾としての役割を超えて、
その人の内側にある感覚や在り方に寄り添い、
未来を創るパートナーとしてあたたかい光を放つ存在。

 それこそが、アトリエパユルにとっての「アート」であり、自分が本当に届けたいものだと気づいたのです。 さらにアトリエパユルの転機となったのが、
2024年、陶芸スタジオ イエロークレイとの出会いでした。 

そこから陶ビーズの制作が本格的に始まりました。 

土、水、火、そして人の想い。
それらが重なり合うことで生まれる陶ビーズ作品たちは、静かなぬくもりと確かな存在感を宿しています。 

ありがたいことに、現在はイエロークレイを活動拠点とさせていただき、制作と表現を続けています。  

2025年5月には、陶芸スタジオ内の「イエロークレイからのおくりもの」コーナーにて、
作品の常設展示・販売をスタートしました。

 この場所は、イエロークレイ主宰/Founder & Artistic Directorの齊藤昌一先生から贈られた、大切な空間です。 

窓辺にはアトリエスペースも設けていただき、
在廊しながら制作を行い、
お客さまに素材の背景や物語を直接お伝えしています。

 イエロークレイのやわらかな空間の中で、
作品に込めた想いやエネルギーが、
場の空気と響き合いながら広がっていく。 そのような時間が流れるこの場所は、
アトリエパユルにとって、ご縁の中で育まれている大切な場所です。 アトリエパユルの作品は、何かを与えるものではなく、その人自身が持つ美しさや光に、そっと寄り添うもの。 あなたが自分のままで、
これからの未来を創っていくとき、
そばにある光でありたいと願っています。 アトリエパユルは、この祈りを込めながら、
あなたの日々の生活に寄り添います Remember yourself. Create your now. お読みいただき、ありがとうございます。
この出会いに、心からの感謝を込めて。 アトリエパユル クリエイター 
我妻沙織 Saori Wagatsuma